老朽化した薬局従業員用トイレを快適空間に改修

WORKS 老朽化した薬局従業員用トイレを快適空間に改修

施工事例データ

弊社では、個人住宅はもちろんのこと、小規模な商業施設や事務所などのリフォームも承っております。

今回は薬局の従業員用トイレ改修の事案のご紹介です。

物件オーナー様から和式便器は使い勝手が悪いため洋式にリフォームを行いたいとご相談がありました。

当物件は築40年を超える築年数の古い建物であり、過去にも設備の老朽化による不具合が度々発生していました。

過去に水道管の老朽化による漏水が発生したため、給水管の交換工事を実施しましたが、問題である水漏れだけなくなれば良いので給水管を露出させ最低限のコストでやり替えを行っていました。

このように、賃貸物件の場合はオーナー様がご自身で住まわれるわけではないため改修工事の費用を抑えたいと思われるのが一般的です。

コストを抑えて工事を行いたいのは、今回も同様のため、必要な機能や性能の範囲について、事前に綿密な打ち合わせを行い、私からも積極的にご提案させていただき、双方にとって最適な妥協点を見つけました。

今回こちらの手洗い部分は特に不具合も出ていないとの事なので、こちらは残すことになりました。

また、和式便器が二箇所ありますが、仕切りが低いパーテーションであるため、同時に使用するには不便な状況だったのと、従業員の人数から同時に使用されることがほとんどない状況でした。

二箇所とも改修すると費用がかさむため、一箇所のみ洋式便器に改修し、もう一箇所は撤去することにしました。

床は水洗いができるように中央に排水口が設けられた古い設計となっています。
しかし、現状では床を水洗いする習慣がなく、また排水口から悪臭が上がってくるため、排水口を塞ぐ工事も行っていきます。

床の汚れが非常に目立つ状態だったので、費用を抑えつつ、土足でもご利用いただける樹脂製のフロアタイルをご提案いたしました。

ただ、フロアタイルは平坦な床面にしか施工できないため、排水口に向かって傾斜している現状の床を、左官工事で平坦にした上で、フロアタイルで仕上げていきます。

各箇所への傷つき防止のため、養生作業を行っていきます。

こちらの薬局は木曜日が休業日であり、近隣にはトイレの利用できる提携病院があるため、木曜日に重点的に工事を進める工程を組みました。

薬局が休業日のため、従業員の方やお客様がいらっしゃらない状況を利用し、解体材を速やかに搬出できるよう、トラックを最適な位置に駐車いたします。

これにより、移動距離を最小限に抑え、作業効率を向上させます。

トイレが狭いので、まずパーテーションを解体し、作業スペースを確保します。

パーテーションはビスで固定されているだけなので、インパクトドライバーを使用しビスを順次取り外し、解体していきます。

パーテーションの解体が進み、ドア部分がなくなりました。

壁にビスで固定されていた箇所は、ビスを取り外すとビス穴が残ってしまいます。完全に綺麗な状態にするには、下地材で穴を隠し、クロスを貼り直すか、壁全体を解体してやり直す必要がありますが、これらの工事は当然ながら費用がかさみます。

見た目だけの問題でトイレの使用には支障が無い為、今回こういった部分は修繕せず進めていきます。

パーテーションの解体が完了したら、次にトイレ本体の解体作業に移ります。
左側のトイレは、和式便器に洋式便座を設置した簡易的な洋式便器です。
こちらを設置するために、まずは便座から取り外していきます。

和式便器に被せるだけで洋式便器のように使用できる便座は、解体工事が不要で設置が容易なため、費用を抑えることができますが、一般的な洋式便器と比較すると、使い勝手の面で劣るケースがあるため個人の住宅では解体して洋式にリフォームするのが一般的です。

今回は二箇所とも解体し、最終的に向かって右側に洋式便器を設置することで、室内をより広く活用できるようにしていきます。

まずは陶器の便器部分を解体し、その後立ち上がっているコンクリート部分を解体していきます。
向かって左側のトイレは使わないので、給水管と排水管を撤去します。

中途半端に残っていると水漏れや、排水の汚臭が上がってきてしまう為、見えない部分で丁寧に撤去作業を行っていきます。

コンクリートの付着は表面のみで、立ち上がり部分の内部は通常空洞であることが多いのですが、今回は内部までしっかりとコンクリートが充填されていたため、想定よりも解体に時間が掛かりました。

電動振動ドリルを使用し、立ち上がっているコンクリート部分を解体いたします。このような解体工事は、非常に大きな騒音を伴うため、不特定多数の方が出入りされる商業施設や事務所などでは、営業時間中の工事は制限されます

解体した廃材は、土嚢袋に小分けにしてトラックで回収します。

床部分を解体し、排水管を露出させます。現代の建築基準では、排水管の中心位置は奥の壁から20cmに統一されていますが、築年数の古い建物や和式便器の場合は、35cmや40cmなど統一されていないことが一般的です。

今回は賃貸物件であり、お客様から費用を抑えたいというご要望です。
また、周辺の解体工事により排水管の位置を変更できるため、20cmの位置に配管を移設し、最安価格帯の洋式便器を設置していきます。

使うトイレに合わせて排水管を移動し、給水管を使えるようにします。
使わないトイレの給水管と排水管は、この時に撤去します。

水道工事が終わったので、左官工事に移ります。和式便器があった壁は写真のようにボロが出るので、左官で穴埋めします。

床を水平にして、フロアタイルを張れるようにモルタルを打ちます。こういった工事は減りましたが、左官職人の技術は素晴らしいです。

奥から手前に一層目を打っていき、打ち終わって少し乾いたら二層目の処理に入っていきます。

二層目の作業に入りました。
一層目を打った後、表面を均します。一層目の上に乗ると形が崩れるので、専用の道具を敷いて、奥から手前に作業します。

簡単そうに見えますがこの上に乗って移動しながら作業するのは、熟練の職人さんでないと対応できません。

冬の時期は乾きづらいため、除湿器とサーキュレーターを設置して稼働させ、渇きを早めます。

このまま3日半程度養生を行います。

床が乾いたので、流し台前の立ち上がり部分と上面を左官で仕上げ、床はフロアタイルで仕上げていきます。

トイレの入り口部分に段差がありましたが、フロアタイルは3mmなのでそこから逆算し、左官を打って段差を解消しました。

工事が完了しました。
今回設置させていただいたトイレは、CFS370という型番の製品で、一般住宅での普及率は低いものの、非常に安価な価格帯のトイレです。

今回のウォシュレットはBV2という機種で、最低限の機能に脱臭機能が付いています。

ご自宅と賃貸物件では、リフォーム内容が大きく異なります。
ニラスイホームではどちらのニーズにも適切なご提案が可能ですので、お気軽にご相談ください。

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