ランドリールームは3畳が適切?広さの決め方や設置における注意点を解説

居室と浴室を繋げるランドリールームは、洗面台や洗濯機を置く用途に使われるケースが多いです。その大きさは、果たして何畳が適切なのでしょうか。ランドリールームの広さの決め方や、設置における注意点を解説します。

この記事の目次

ランドリールームとは何か

ランドリールームは浴室と居室をつなぐ導線にあるスペースです。洗面台や洗濯機を設置するのに向いているほか、洗濯を一箇所で対応するスペースとしても活用することができます。

ランドリールームは洗濯に向いている

ランドリールームを設置することによって、洗濯物を洗う・干す・取り込む・たたむ・アイロンをかけるといった洗濯関連の一連の家事を一箇所で行うことができます。また洗濯関連の洗濯機や乾燥機といった家電を設置する場所でもあります。

部屋が広い場合、洗濯機からベランダまで洗濯物を移動することは億劫です。また外に洗濯物を干すと、衣類に花粉が着いたり、風で飛んでいってしまったりといったトラブルの可能性もあります。

洗濯以外には、洗面台など身支度の場所としても活用されるランドリールームですが、最適な広さは何畳なのでしょうか。

ランドリールームは3畳がベストなのか

一般的にランドリールームの広さとして推奨されるのは3畳です。

3畳の広さイメージと活用方法

3畳のランドリールームは、2畳に比べて余裕を感じることができます。洗面台と洗濯機を置いても収納スペースを確保できるほか、ランドリールームでの作業も余裕を持って進めることができるでしょう。洗濯物を干してある最中も行き来ができると、生活導線としてもスムーズなものになります。

また3畳あれば、洗濯まわりに必要な洗濯機・乾燥機・物干し竿・収納棚・アイロンおよびアイロン台・霧吹きなどを収納することができます。家具家電のネックになるところは、使わないときも収納により一定のスペースを必要とするところです。とはいえ物干し竿を洗濯の度にリビングに取りにいくような生活のストレスが貯まります。洗濯をする環境の中心に置いておきたいものです。

また洗濯機で洗うことのできないものにも対応がしやすいです。浴室が近いため、洗濯機では対応できない洗い物をする場合も活用できます。靴や鞄といったものは洗濯機不可の場合が多く、とはいえ専門のクリーニング業者に持参するとお金もかかるため、手洗いをする機会が多いです。そのときに3畳のランドリールームは作業場所として適しています。

大切なのは、洗濯習慣は10年後を想定すること

現時点では外干しの必要性が無くても、子どもが生まれるとおむつの洗濯ニーズが発生します。また将来的に親と同居する場合、同様のニーズが発生することもあります。また子どもが中学校・高校と部活をはじめ、汗だくの洗濯物が増えることもあるでしょう。

そもそも高層階でベランダに干せない場合は結論が変わりませんが、いまの生活スタイルでは「敢えてベランダに干していない場合」、将来変わる可能性があります。そのときにランドリールームを広く取り手持ち無沙汰にならないよう、先読みするようにしたいものです。

ランドリールームの適切な面積は、雨の日などの洗濯の室内干しをランドリールームで行うか否かによって変わってきます。天候のほか、高層階のマンションなどではベランダが無いか、あっても高層階特有の強風で洗濯物を干せない環境にある物件も多いです(仮に50階マンションのベランダから洗濯物が飛んだら大変なことになります)。

ランドリールームのある物件に居住する方は、布団なやシーツなどの大きな洗濯物は外干しで、衣類や小物などはランドリールームでの洗濯・乾燥と区分けしている家庭が多いように感じます。

ランドリールームを2畳・4畳にするときの注意点

需要のある3畳ではなく、2畳や4畳のランドリールームを検討するときの注意点を考えてみましょう。

2畳では賄いきれるのか

ランドリールームの広さが、1畳狭い2畳だとどうでしょうか。2畳のランドリールームは比較的コンパクトな印象です。ランドリールームを2畳に抑えると、何か活動するというよりも洗面台と洗濯機の設置場所と、リビングと浴室を行き来する場所に限定される印象があります。

家族の年齢にも寄りますが、4人家族の一日の洗濯物の量は6kgだといわれています。2畳だと洗濯物をすべてランドリールームで干すことはできるものの、ほかの作業をするゆとりは無くなる可能性が高いです。家族が多いと、朝と夕方など1日に複数回洗濯をすることもあるでしょう。2畳ではまず余裕が無くなると考えると、あまりお勧めはできないでしょう。

なお2畳未満、1畳や1.5畳のランドリールームは現実的に可能かという声もありますが、洗濯用途を考えると厳しいのではないでしょうか。洗面所や脱衣所がほかにあり、洗濯用途にのみ使う場合が現実性があるかもしれません。

4畳は広すぎるのか

そう考えると、4畳あるランドリールームは余裕があります。ただ、物件面積に限りがあるなかで独立のランドリールームとして4畳も取ると、他の部屋の広さを削ってしまう可能性があります。ほかの間取りが希望通りでランドリールームが4畳なのか、制限をかけてランドリールーム「だけ」4畳なのかによって意味合いは変わってきます。

ランドリールームを4畳にする場合は、ほかの用途でランドリールームを活用することはできないか考えてみましょう。たとえば以下のような一例があります。

WIC(ウォークインクローゼット)を兼ねる

ランドリールームにWIC(ウォークインクローゼット)を兼ねる考え方です。WICは一般的にドアが設置された密室のような状態にあり、居室などに設置されています。WICをランドリールームに設置することにより、収納効率を高めることができます。

ランドリールーム内に区分けするドアは設置していないことが多いため、適宜スペースを作ってWICとして使うスペースを決めましょう。また閉鎖式のクローゼットではなくてお。ホールを設ける方法もあります。この場合はランドリールーム自体を2階に設ける方がいいでしょう。吹き抜けや窓がある場合は、風の通りが良く、洗濯物も乾きやすいメリットが生まれます。

保管スペースにする

こたつや薄着など、季節柄使わない時期があるものをランドリールームに保管する方法です。その分居室のクローゼットを有効活用することができます。加湿乾燥を操作できる物件ならば、衣類が痛まないよう予防効果を期待することもできるでしょう。

ペットルームとして活用する

室内用の犬や猫の場合、睡眠場所や用を足す場所をどこに設けるかは考えどころです。ランドリールームであれば浴場も近いため、定期的な清掃も可能です。またペットの常駐場所をリビングに置かないことで、匂いが拡散する懸念を弱めることができるでしょう。ただ洗濯物に匂いが移ってしまう点はネックなので、留意する必要があります。換気扇を活用したり、窓の近くにペットルームを置くなどの工夫をしましょう。

ランドリールームの広さは、洗濯スタイルから決める

ランドリールームの広さを決めるのは、洗濯スタイルから決めることをお勧めします。

心地よく洗濯をできる面積を選びたい

洗濯の一連の行程を終えるには、心地よく洗濯をできる面積を選びたいところです。不足がないのはやはり3畳以上でしょう。この洗濯の一連の行程を掘り下げて考えていきましょう。

ランドリールームに必要な要素

ランドリールームに必要な要素は、洗濯に関わる作業をスムーズに行えるかという点です。

洗濯物を乾かす

洗濯機で洗った洗濯物を乾かす行程です。収納型のラックなどを使うと、洗濯物が乾いた時にスペースが空くことになり、ランドリールームのスペースを有効活用することができます。

洗濯物をしまう

ランドリールームは洗濯物をしまうスペースとしても活用できます。クローゼットに収納できない小物やタオルなどは区分けしたうえで、設置した小物入れなどに収納しましょう。

洗濯物を洗う

洗うのは基本的に洗濯機の役割です。洗濯機で対応できない靴や鞄など手洗いをするものは、浴室が近く給水・排水がたやすいランドリールームで対処することがお勧めです。

また家庭によっては、レジャー用品を洗う場所としても重宝します。これらの用品は洗濯機では洗えないほか、目視でも汚れていることが多いため、作業場所には難儀します。充分なスペースのランドリールームがあれば、余裕を持って洗うことができるでしょう。

洗面所としての機能

洗濯以外にも洗面所として身支度、洗顔や歯磨きなどの場所として活用することができます。

そのほか

なかには斬新な発想で、ランドリールームとキッチンを兼用する考え方もあります。キッチンと兼用することで、ひとつの場所でまとめて家事ができるため、効率が良いです。料理をしながら、洗濯する・干す・畳むといった一連の動作を進めることができます。洗濯物に料理の匂いがつかないように、換気扇を回すなどの工夫をしましょう。

ランドリールーム設置の失敗談

ランドリールームを設置したはいいけれど、失敗してしまったという事例もあります。どのような点が失敗に繋がってしまったのでしょうか。

洗面所と脱衣所は別にすればよかった

生活サイクルにおいて、洗面所と脱衣所は使用するタイミングの異なる場所です。家族が多いと、脱衣所に人がいるから洗面所が使えないという状況も発生します。

洗濯物が乾かなかった

ランドリールームで洗濯しても充分に乾かなかったという場合もあります。さまざまな理由がありますが、理由のひとつとして考えられるのはランドリールームの方角です。

西側や南側だと窓から光が差し込み、洗濯物を乾かすほか、ランドリールームへの滞在中も快適な気持ちになるでしょう。一方ランドリールームを北側に設置した場合は、湿気が多くなり、洗濯物が乾きにくく生乾き臭が発生してしまう恐れがあります。

ほかの部屋との兼ね合いでランドリールームをやむを得ず北側にする場合も、風通しを良くして湿気対策さえすれば、それほど気にはならないでしょう。換気扇やサーキュレーターを入れることで洗濯物は乾かしやすくすることができます。窓を設置することでも対応できますが、雨天時や冬季の際は太陽の光があまり入ってこないこともあるため、さまざま天候に即して想定することが大切です。

ほかの間取りが犠牲になった

問題なのはランドリールームを西側や南側に設置することに固執し、ほかの間取りが犠牲になってしまう状況です。ランドリールーム単独の湿気対策であれば多くの方法があれど、間取りはそう簡単に変えられません。

自宅を設計するときに、さまざまな応用用途があると考えてランドリールームを設けたものの、結局使わなかった、大きすぎたので他の部屋にスペースを使えば良かったという声があります。家を建てたり、設計したりするのは人生何度もあるものではありません。対策として、ランドリールームの活用やほかの部屋との兼ね合いに詳しい専門家に設計を依頼したり、アドバイスを求めることが大切といえます。

ランドリールームを独立させるべきだった

ランドリールームが広いと、さまざまな用途との兼用を考えてしまいます。メリットがある一方で匂いが気になったり、生活の導線に違和感を覚えたりという場合もあるでしょう。ランドリールームは単体として独立させて、ほかの用途は別の場所でというのがスタンダードのようです。そう考えると、スタンダードな3畳で設計するのが最適といえるでしょう。

ランドリールームを作らないという選択肢はあるのか

逆説的ですが、ランドリールームを作らないという選択肢はあるのでしょうか。洗濯を外干し中心とし、収納もリビングが居室にすることであり得ない話ではありません。

ただリビングに洗濯物を干すと閉鎖感が増すほか、匂いのある食事を楽しむことができない(都度別の場所に移動しなければならない)などの手間がかかります。ランドリールームで洗濯をする利点は、別の家事に取り組む時間も含めた生活時間のなかで、洗濯物の存在を気にしなくても良い点です。多くの物件にてランドリールームが欠かせないものとされているのは、それだけ存在意義があるというもの。早急に設置を決め、広さを熟考したいものです。

【この記事のまとめ】

ランドリールームの広さから用途をはじめ、ランドリールームの持つメリットとデメリットをお伝えしました。本記事の失敗談などを参考にしながら、自宅におけるランドリールームの広さを定めていきましょう。

自宅は毎日の生活のなかで、もっともリラックスできる空間です。そのなかでランドリールームは家事を行うため、比較的バタバタした時間を過ごす方が多いと思います。だからこそ最適な面積や環境を整え、毎日の暮らしを快適に整備するようにしましょう。

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