浮いてるトイレのデメリット7選 | メリットやよくある質問も解説

デザイン性の高さから数多く家庭に導入されている浮いてるトイレ。

高級感がありトイレ空間を鮮やかにしてくれる浮いてるトイレですが、デメリットが多くあることをご存知でしょうか。「おしゃれだから」「高級感があるから」といった理由だけで浮いてるトイレを採択してしまうことはおすすめできません。

本記事では、浮いてるトイレのデメリットを解説します。

この記事の目次

浮いてるトイレのデメリットは?

「フロートトイレ」と別名がついている浮いてるトイレです。
主に商業施設で見かける浮いてるトイレを自宅でも使いたい!ということでリフォームなどを機に設置するご家庭は少なくありません。しかし、実際に使い始めてから気づく浮いてるトイレのデメリットもあります。。

〇価格が高い点・取扱いメーカーが少ない

浮いてるトイレは他のトイレに比べると価格が高く、取扱いメーカーが少ないです。注文住宅やリフォームで依頼すると、高い見積もりになってしまうことも多いです。
商業施設などからの大量発注ではなく、一般家庭からの単体依頼では、設置するコストも割高になるためです。また建物の形態によっては、リフォーム時に設置できないこともあるので注意が必要です。

〇停電すると水が流れない

緊急事態の場合、水が流れない可能性があります。浮いてるトイレは電気で動いており、一般的なトイレのように主導で排水を促すものではないためです。停電の際にトイレが稼働しないと、衛生環境の悪化にも繋がります。

〇節水コストが低い

地面に着いていない分、使用の際に水の勢いが必要で、
節水コストが低い場合があります。

また浮いてるトイレはスタイリッシュ性を再重視しているため、手洗い場所を別に作らなければいけない点や、備品交換のときに難点があります。それぞれ内容別に、これらのデメリットを詳しく見ていきましょう。

デメリット1.一般的なトイレよりも価格が高い

浮いてるトイレは一般的なトイレとは違い、設置に差し当たりいろいろな工事が必要です。よって設置工数も割高になります。

一般的な家庭に取り付けられるトイレはメジャーな工事で問題ありませんが、浮いてるトイレには補強・内装・取付などの工事が別途必要になります。取り付けを希望する際は、価格面の考察も踏まえて検討するようにしましょう。
床から浮いている構造になっているため、人が乗っても落ちないように安全性にも配慮しなければなりません。

そもそも浮いてるトイレ自体の値段が高いうえに、設置工数がかかります。これらの割高な設置費を差し引いても、スタイリッシュ性を最重視する魅力があります。浮いてるトイレには、利用する人たちをワクワクさせる外観や機能があるのではないでしょうか。

デメリット2.取扱メーカーが少ない

浮いてるトイレのデメリットは、取扱いメーカーの少なさも指摘されています。2023年現在、浮いてるトイレを販売しているメーカーはTOTO(トートー)・LIXIL(リクシル)のみです。

両者とも多くの商品ラインナップを揃えた会社ではあるのですが、もし両社の機能面・デザイン面で納得できないければ、浮いてるトイレ自体を諦めなくてはなりません。もう少し多くの会社から、浮いてるトイレの商品が発売されることを願いたいですね。

商品の選択肢は少なくとも、設置場所や周囲の雰囲気によって浮いてるトイレのオリジナリティは幅広いものとなります。検討にあたっては、自分のおうちに設置したときを何度も想像してみましょう。

デメリット3.停電すると水が流れない

浮いてるトイレは「タンクレストイレ」であり、電気で動いているため停電すると水が流れません。

「タンクレストイレ」はつながっている水道から水を出したり遮断したりするために電磁弁が取り付けられています。これを電気の力で動かしているため、停電してしまうと電磁弁が動かなくなるのです。一般的なトイレであれば水は流れますが、浮いてるトイレのような「タンクレストイレ」は停電時に使い物にならなくなります。

もし、停電してしまったら以下の対処が必要です。

・手動レバーを引いて水を流す
・バケツを使って水を洗い流す

一般的なトイレと同じく手動レバーは取り付けられていますので、引くだけで水は流れます。ただ、電気を使って自動的に流れることはありません。

デメリット4.手洗い場を別で作る必要がある

浮いてるトイレを含む「タンクレストイレ」には、手洗い場がデフォルトで設置されていません。

一般的なタンク付きトイレはトイレ自体に手洗い場が取り付けられてありますが、「タンクレストイレ」には手洗い場がありませんので別途取り付ける必要があります。「タンクレストイレ」はスタイリッシュな空間を実現するトイレではありますが、手洗い場を設けることにより空間が狭く感じてしまうかもしれません。

デメリット5.設置できない場合がある

「タンクレストイレ」の性質上、水道管から直接水を送っているためある程度の水圧が必要になります。

例えば、マンションの高層階にお住まいの方だと「タンクレストイレ」に必要な水圧条件を満たすことができない可能性があります。また、いろいろな条件が重なり水圧が低い場所だと「タンクレストイレ」を設置できません。「タンクレストイレ」により必要な水圧は違いますので、特に浮いてるトイレそれぞれにどれくらいの水圧が必要になるのかを事前に確認しておくべきだといえます。

デメリット6.ウォシュレット部品を交換できない

「タンクレストイレ」はウォシュレットが一体型となって取り付けられていますので、部品だけを交換することができません。

厳密に言うと交換することが完全にできないわけではありませんが、別途工事費用が必要になります。一般的なトイレはウォシュレット部品だけをパッと取り替えることができますが、浮いてるトイレのような「タンクレストイレ」はそれができないため不便に感じるかもしれません。

故障した際に部品交換ができず、便器部分を含めたトイレ全部を交換する必要があります。

デメリット7.標準リモコンしか使えない

LIXILではなくTOTOの場合のみですが、スティックリモコンが使えず標準リモコンしか使えません。

浮いてるトイレはスタイリッシュさを追い求めるが故に、リモコンはスティックリモコンになっています。しかしそれはLIXILだけであり、TOTOの場合はスティックリモコンではなく標準的なリモコンしか使えません。

「リモコンもおしゃれにしたい!」という方TOTOではなくLIXILを選ぶといいでしょう。

デメリット8.節水機能には長けているわけではない

浮いてるトイレは決して節水機能に特化した商品ではありません。とはいえ、浮いてるトイレである「TOTOレストパルF/LIXILフロートトイレ」は、「なかなか」節水機能に優れた商品でもあるといえます。

近年、水道光熱費の高騰から節水機能がついているトイレが次々発売されています。特に、2006年以降に発売されているトイレは、それ以前に販売されているトイレより大幅に節水機能が改善されています。浮いてるトイレも節水機能はありますが、さらに省エネを追求するならば、節水機能に優れたトイレを選ぶといいでしょう。

■浮いてるトイレの洗浄水量
LIXILフロートトイレ 大洗浄6.0L 小洗浄5.0L
TOTO レストパルF 大洗浄4.8L 小洗浄3.6L

■節水機能に優れたトイレの洗浄水量
参考に節水機能に優れているトイレの洗浄水量を比べてみましょう。
TOTOネオレストシリーズ 大洗浄3.8L 小洗浄3.0L
TOTOGG/GG-800 シリーズ 大洗浄4.8L 小洗浄3.6L 
TOTO ピュアレストQR 大洗浄4.8L 小洗浄3.6L
LIXLサティスS 大洗浄5.0L 小洗浄3.6L
LIXILアメージュシャワートイレ大洗浄5.0L 小洗浄3.8L
Panasonic NewアラウーノV 大洗浄4.6L 小洗浄3.8L
Panasonic アラウーノL150 大洗浄4.8L 小洗浄3.6L
Janis スマートクリン 大洗浄4.5L 小洗浄4.0L

あらゆるメーカーが知恵を絞って節水機能をトイレに搭載しています。節水機能を特に重要視したい人は、TOTOネオレスト、Panasonic NewアラウーノV、Janisスマートクリンなどをセレクトするといいでしょう。デザイン性やスタイリッシュさを追い求める方は、浮いてるトイレがおすすめです。
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浮いてるトイレのメリットは?

ここまで浮いてるトイレのデメリットをご紹介しました。
デザイン性に長けて入るものの、実用性に関してはまだまだ一般的なトイレに見劣りしてしまう浮いてるトイレ。しかし、デメリットばかりではありません。

・デザインがおしゃれ
・掃除が楽になる
・収納スペースが広い
・オート開閉機能が便利

上記4つのメリットがありますので、それぞれ解説します。

メリット1.デザインがおしゃれ

なんと言っても浮いてるトイレはデザインがおしゃれです。

床にドンっと置いていない浮いてるトイレにはそれにしかないおしゃれさがありますし、スタイリッシュな空間を演出してくれます。高級ホテルなどは軒並みこの浮いてるトイレを採用していることから分かる通り、空間を高級・ラグジュアリーなものにしてくれるのです。

先ほどもありましたが浮いてるトイレは「タンクレストイレ」になるため、トイレのタンクやハンドルが見えません。どうしてもタンクやハンドルがあると生活感が溢れてしまいますが、浮いてるトイレはそういった生活感をゼロにすることが可能です。

空間を広く使うことができるのも大きなメリットですし、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

メリット2.掃除が楽になる

浮いてるトイレはその名の通り、地面からトイレが浮いているので掃除が楽になります。

トイレの掃除で面倒だとされている便器の脇やトイレと地面の設置面。浮いてるトイレにはそれらがありませんので、さーっと掃除することができます。浮いてるトイレが持っている高級感やラグジュアリー感を損なわせる汚れが発生しにくいのもありますし、パッと掃除ができるのも良い点でしょう。

また、難しい掃除を必要としない点もメリットです。床掃除の延長線上で浮いてるトイレの掃除ができます。

メリット3.収納スペースが広い

浮いてるトイレだけではありませんが「タンクレストイレ」は、タンクの部分が一体化されているため空間をより広く使うことができます。

例えば、浮いてるトイレを浮かせるための土台や収納スペースが全てキャビネットの中に収まっています。その分だけ奥行きを取る必要がありますが、収納スペースに関してはかなり広くなります。

トイレグッズや掃除アイテムをトイレに並べずに収納スペースに置いておくことができるのも良い点です。浮いてるトイレの高級感をトイレグッズや掃除アイテムで邪魔せずに済みます。

メリット4.オート開閉機能が便利

一般的なトイレにも搭載され始めていますが、浮いてるトイレのオート開閉機能が非常に便利です。

例えば、便器に座らずに用を足す男性の場合だとわざわざ蓋を開ける必要がなくなるのは嬉しいですよね。トイレの前に立つだけで自動的に蓋が開いてくれるので、そのまま用を足すことができます。仕組みとしては人感センサーが搭載されているため、人がトイレの前に立ったことを判断しているのです。

ちなみに浮いてるトイレの中でもハイグレードになると用を足すたびに除菌水を撒いてくれる機能が搭載されています。
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浮いてるトイレを販売しているメーカーは?

ここまで浮いてるトイレのメリット・デメリットをご紹介しました。
さて、ここまでで「浮いてるトイレを家に設置したい!」と考えるようになった方も多いのではないでしょうか。

冒頭にもお話ししている通り、浮いてるトイレを扱っているメーカーは2つしかありません。

・TOTO
・LIXIL

それぞれどんな浮いてるトイレなのかここで解説していきます。

レストパルF | TOTO

TOTOが販売している浮いてるトイレは「レストパルF」です。

「レストパルF」は壁掛け式トイレとして一気に世に浸透し、収納力がSNS上でも話題となりました。トイレに入った・出た際に自動的に点灯・消灯してくれる「やわらかフロアライト」という機能が搭載されており、トイレ空間をより広く見せてくれる工夫が凝らされています。

さらに「レストパルF」はトイレが浮いているため掃除がしやすいだけでなく、便器のフチがありません。一般的なトイレ掃除はフチの裏までしっかりとしなければなりませんが、「レストパルF」はフチそのものが存在しませんのでサッと一拭きするだけで掃除が完了してしまいます。

また後ほどご紹介するLIXILよりも節水機能が優れています。これは「トルネード洗浄」という機能であり、水量を多く必要とせずに汚れや便器ボウル面をザーッと洗い流すことができるようになっています。

フロートトイレ | LIXIL

LIXILが販売している浮いてるトイレは「フロートトイレ」です。

「フロートトイレ」は日本語訳すると「浮いてるトイレ」となり、日本の住宅により浸透するように名づけられました。床と壁に重さを分散せることができるフレーム構造をLIXILが独自開発しており、TOTOよりも20kgほど耐体重が高めとなっています。

デザイン性にも拘っており、バックパネルの左右がLED間接照明で明るくなっています。高級感溢れる空間を演出してくれていますし、以下のサポートもセットで「フロートトイレ」につけることができます。

・手すり
・背もたれ
・ケアサポート水栓

また、「フロートトイレ」は衛生陶器「アクアセラミック」を採用。「アクアセラミック」は水垢や汚物などをさーっと流すことができる陶器であり、人間の手で掃除する必要がほとんどありません。また、パワーストリーム洗浄により多くの水を必要とせずに便器をきれいにしてくれる機能まで搭載されているのです。

掃除がしやすいだけでなく、「フロートトイレ」自らが自身をきれいにする機能がたくさん搭載されています。トイレだけでなくプラズマクラスターイオンがトイレ空間に働き、嫌な匂いの発生も抑えるという優れっぷりです。
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浮いてるトイレに関するよくある質問

では最後に浮いてるトイレに関するよくある質問をご紹介します。
・体重制限はある?
・タンクありトイレはある?
・メーカーごとの違いは?
・リフォーム料金はどれくらい?
・浮いてるトイレが壊れたら?

それぞれ回答していきます。

体重制限はある?

浮いてるトイレを販売しているTOTOとLIXILによると、体重制限としては以下です。

・TOTO:耐体重200kg
・LIXIL:耐体重220kg

人が一人トイレにガンッと座っても問題ない耐体重ですので、安心して使えます。

タンクありトイレはある?

浮いてるトイレは「タンクレストイレ」として販売されており、タンクありトイレは販売されていません。

TOTOとLIXILが今後タンクありの浮いてるトイレを販売する可能性はゼロではありませんが、わざわざタンクありのトイレを販売するメリットがありません。そのため、現時点で手洗い場が欲しい場合は浮いてるトイレの設置と同じように手洗い場を別途設置する必要があります。

しかし、手洗い場を別途設置するとなると浮いてるトイレのメリットである空間デザイン性が損なわれる可能性があることを把握しておかなければなりません。また、手洗い場が設置された分だけ狭く感じてしまうかもしれません。

設置する前に「本当にここに手洗い場が必要なのかどうか」を考えましょう。

メーカーごとの違いは?

先ほどもご紹介しましたが、改めてTOTOとLIXILの違いを解説します。

メーカー TOTO LIXIL
本体価格 386,850円~(税別) 348,400円~(税別)
電気代(年間) 約118kWh 約104kWh
水量(大で流した場合) 4.8L 6.5L
カラー 2種類 4種類

本体価格を見るとLIXILの方が若干安くなっており、電気代も同じように若干安くなっています。ただ、水量に関しては大で流した場合だとTOTOの方が少ないため節水効果はLIXILの方が劣ります。さらに、カラーに関してはLIXILは4色展開のキャビネットカラーが選択できる一方で、TOTOは便器カラー2種類・キャビネットカラー2色から選ぶ必要があります。

ちなみに、本体価格についてはTOTOもLIXILも通常期とキャンペーン期で値段を抑えて購入することができます。

・TOTO:通常期35%・キャンペーン期45%OFF
・LIXIL:通常期30%・キャンペーン期40%OFF

うまくキャンペーン期を狙って浮いてるトイレを購入することができれば、設置工事費用含めて安く抑えることが可能です。

リフォーム料金はどれくらい?

一般的なトイレから浮いてるトイレにリフォームする際の工事費用は25~30万円ほどかかります。

・便器処分
・取り付け
・内装工事
・補強工事

これらを含めて25~30万円ほどかかり、浮いてるトイレ本体の費用もここに加味しなければなりません。合計で60~70万円ほどかかります。

かなりの費用が必要にはなりますが、格安業者に依頼することは避けておきましょう。DIYレベルのスキルしか持ち合わせていない業者だったり工事が雑な業者に依頼をしてしまうと、せっかくの浮いてるトイレが台無しになりかねません。費用の安さも大切ですが業者がどれくらいのスキルレベルがあるのかも重視すべきだといえます。

浮いてるトイレが壊れたら?

もし浮いてるトイレが壊れたら、すぐにメーカーへ連絡をしましょう。

一般的なトイレであればメーカーに連絡して修理をしてもらうよりも、地元の修理業者に依頼してしまった方が早く・安く修理ができます。しかし、浮いてるトイレは少し特殊なトイレであり「タンクレストイレ」でもあるため、修理ができる業者はそこまで多くありません。

依頼をしても断られてしまったり、特殊な修理が必要になるため修理費用が高額になってしまったりなどいろいろな問題が起きてしまうでしょう。そのため、販売元のメーカーに連絡をしてしっかりと修理してもらうことをおすすめします。

ちなみに、設置をしてから10年以上経過してからの故障であれば浮いてるトイレ自体の寿命かもしれません。その際にはメーカーに連絡をして交換することも検討視野に入れましょう。

まとめ

今回は浮いてるトイレのデメリットをご紹介しました。
スタイリッシュに見える・デザイン性に富んでいるなどいろいろなメリットがある浮いてるトイレ。しかし、実用面・機能面で一般的なトイレに劣るところがあり、実際に使ってみてから「使いにくい...。」と感じてしまうことも少なくありません。

ネット上にある浮いてるトイレを実際に使っている人の声も参考にしつつ、本当に浮いてるトイレにするのかどうかを決めましょう。
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